当院には、慢性の痛みを抱えた妊婦様や、出産後の不調に悩むお母様が数多く来院されます。しかし、妊婦様や産後すぐの女性の体は、通常時の体とは全く異なるダイナミックな変化の最中にあります。そのため、施術には極めて高い専門知識と、裏付けされた安全な理論・技術が求められます。
今回は、当院がこれまで学び、実践してきた「マタニティ・産後ケア」に関する技術と理論の概論、そして最新の知見について、まとめました。
1. 産後すぐの骨盤矯正と、アメリカ最新の「ウェブスター・テクニック」
それまで・・私は、「産後すぐは仙腸関節が緩みすぎているため、下手に徒手矯正を行うと逆に腰痛を悪化させるリスクがある」と考え、産後すぐの積極的なアプローチは控えていました。しかし2014年、その常識を覆す出会いがありました。
ロサンゼルスで数万人もの妊婦様のケアを行っている、アメリカ屈指の産前産後治療のスペシャリスト・吉田美和D.C.(ドクター・オブ・カイロプラクティック)から最新の情報を得たのでした。吉田先生の「産後数日からの骨盤矯正は可能であり、むしろ効果的である」という知見は、まさに目から鱗でした。
リラクシンを味方にする産後骨盤矯正
出産前後に分泌されるホルモン「リラクシン」の働きにより、産後1ヶ月間は人生で最も骨盤が緩み、動きやすい時期です。もちろん、どんな矯正でも良いわけではなく、適切な手法で行えば「骨盤をきれいに閉め、子宮の収縮を促し、体重を元に戻す」という素晴らしい効果を引き出すことができます。当院でもこのアプローチを積極的に導入しています。
成功率9割を超える逆子ケア「ウェブスター・テクニック」
また、アメリカのカイロプラクティック界で成功率9割を超えると言われる逆子矯正法「ウェブスター・テクニック」についても学びを深めました。病院で行われる外回転術(投薬と超音波のもとで行う手技)の成功率が約50%であるのに対し、このテクニックは子宮にかかる無理なねじれや骨盤の緊張を安全に取り除くことで、赤ちゃんが自然と正しい位置に戻りやすい環境を整えます。
2. 妊婦様の激痛を即座に和らげる「仙腸関節の圧着理論」
妊娠中の腰痛、坐骨神経痛、恥骨や鼠径部(足の付け根)の痛みは、妊婦様にとって耐え難いものです。施術には細心の注意が必要で、当院では状況に応じて側臥位、あるいは最も負担の少ない「座位(座った状態)」で施術を行います。
この座位での施術において、驚くほどの効果を発揮するのが「仙腸関節の圧着」を行う『吉岡先生の仙腸関節テクニック』です。これは、吉岡一貴先生の優れた研究(※)に基づいた理論と手技を主軸としています。
・吉岡一貴「仙腸関節 ―動きの解析と歪みのメカニズムに関する考察―」(日本カイロプラクティック徒手医学会誌 第5巻 奨励賞)
・『マニュアルメディスン研究会誌』vol.51〜vol.58に全文掲載
この理論の肝は、人それぞれの「利き脚」と「重心の脚」を正確に判定し、仙腸関節の耳状面への圧着場所を左右非対称にずらして調整する点にあります。この緻密な計算と物理的アプローチにより、大きなお腹を抱えた妊婦様の激痛が、その場で驚くほど綺麗に引いていくケースを、これまで当院で幾度も経験しています。
3. 骨動リズムを捉える「BRM療法」と、子どもたちの未来への可能性
当院のマタニティ・産後ケア、そしてその先に生まれてくるお子様へのケアを支えるもう一つの重要な柱が、BRM療法の吉田邦夫先生から学んだ繊細な手技です。
この手技は、アジャストメント(矯正)特有の瞬間的な力を一切使いません。矯正したい部位にそっと手を当て、骨が本来持っている微細な動き(骨動リズム)を捉え、骨が自然に動くのを静かに待ちます。術者の手には、骨が「ふわー」「ずっずっ」と正しい位置に還っていく感触が伝わります。
カイロプラクティックの「レスピレイトリー・アジャスト(呼吸層を用いたアプローチ)」に似ていますが、足の先から頭蓋骨まで、全身のすべての骨格を対象にできる独自の優れた療法です。現在では、脳神経内科、脳外科、整形外科、婦人科、歯科などの第一線の医師たちもその効果を認め、勉強に訪れている治療技術です。
現代医学で諦めかけた症状への希望
このBRM療法の領域は、大人の骨格矯正に留まりません。生まれてきたお子様が抱える、病院では「これ以上は難しい」と言われたようなデリケートな症状に対しても、大きな希望となっています。
- アスペルガー症候群の男児の感情表現やコミュニケーションの大幅な改善
- 低IQと診断された女児の急速な発達・改善
- てんかんの発作の軽減や、三角頭蓋の手術を回避した改善例
これらの臨床例は、頭蓋骨や脳脊髄液の循環、神経系へのソフトなアプローチが、子どもたちの持つ無限の可能性を引き出す鍵であることを証明しています。
総括:生まれてくる子どものために、今できること
産後の骨盤矯正の大切さは広く知られるようになりましたが、私はそれ以上に「生まれてくる子どものため、そしてご自身が楽に出産を迎えるために、出産する前から骨盤と神経を整えておくこと」をお勧めしています。
そして、すでに不調を抱えているお母様も、生まれつきの課題を抱えているお子様も、決して諦めないでください。生化学(分子栄養学)、カイロプラクティック、心理学(NLP)を融合させた当院の統合的なアプローチなら、現代医学が諦めた症状に対しても、一筋の光を灯すことができると信じています。
お母さんと赤ちゃんの笑顔あふれる毎日のために、広陵コンディショニングは常に世界基準の最新技術を学び、進化し続けます。
