骨・筋肉だけじゃない!細胞レベルで「体をゆるめる」マグネシウムの重要性
当院では、手技による骨格や筋肉へのアプローチだけでなく、分子栄養学(オーソモレキュラー)に基づいた栄養面からのケアも重視しています。なぜなら、どれだけ外側から体を整えても、細胞の栄養が不足していれば、筋肉の緊張や痛みは根本から解決しないからです。
慢性的なコリや、五十肩の背景にある「石灰化」に深く関わっているのが、ミネラルの代表格である「マグネシウム」です。
1. 筋肉を「ゆるめる」作用とコントロール
私たちの体では、カルシウムが筋肉を「収縮(緊張)」させ、マグネシウムが「弛緩(ゆるめる)」させる働きを担っています。
マグネシウムが欠乏すると、細胞は過剰に収縮してしまい、筋肉のけいれんや激しいコリ(肩こり・腰痛・頭痛)、不整脈、便秘、高血圧、喘息などの引き金になります。
2. 余計な場所へのカルシウム沈着を防ぐ(石灰化の防止)
マグネシウムは、体内でカルシウムが正しく働くようにコントロールしています。そのため、マグネシウムが不足するとコントロールを失ったカルシウムが体内の異常な場所に沈着(石灰化)してしまいます。
これにより、激痛を伴う「石灰沈着性の五十肩」をはじめ、歯石、骨隆起、骨棘(こつきょく)、へバーデン結節、内臓の石灰化などが発生します。
3. 細胞のエネルギー(ATP)を生み出す
マグネシウムは、細胞の中にあるミトコンドリアがエネルギー(ATP)を作り出す際や、遺伝子合成、酵素反応に不可欠な存在です。不足するとエネルギーが作れなくなり、慢性疲労やメンタルの不調、あらゆる病気の原因になります。
あなたは大丈夫?マグネシウム欠乏のサイン
以下のような症状に心当たりがある方は、体内のマグネシウムが著しく不足している可能性があります。
- 食事の欲求: チョコレートが無性に食べたくて仕方がない
- 消化器の不調: 便秘、下痢、またはそれらを繰り返す(過敏性腸症候群)、食欲不振、吐き気
- 筋肉・神経の異常: 足がよくつる、コリが異常にひどい、手足の冷えやしびれ、線維筋痛症
- 頭痛・睡眠: 頭痛、片頭痛、不眠症
- せいかつしゅうその他の慢性症状: 慢性疲労症候群、月経痛、PMS、糖尿病、高血圧、腎臓結石、骨粗しょう症、喘息、過呼吸、うつ病や集中力の欠如せ
効率の良いマグネシウムの補給方法
日本の水は「軟水」のため、欧州などの硬水に比べて水からマグネシウムを摂取しにくい環境にあります。そのため、日々の意識的な補給が欠かせません。
- 食事から摂る: 緑黄色野菜、海藻類、大豆製品(納豆・豆腐など)、にがり、未精製の良い塩、ナッツ類、全粒穀物
- 入浴から皮膚吸収させる: エプソムソルト(硫酸マグネシウム)を入浴剤としてお風呂に入れると、皮膚から効率よくマグネシウムを吸収でき、筋肉の緊張緩和や睡眠の質向上に非常に効果的です。
- サプリメントの選び方に注意: 日本の一般的な薬局で販売されているものの多くは「酸化マグネシウム」です。これは主に便秘薬(下剤)として使われるもので、腸からの吸収率は極めて低いです。細胞までしっかり届けるには、「高吸収加工(キレート加工など)されたマグネシウム」を選ぶ必要があります。

日常生活での落とし穴:各種注意点
◎生活習慣での注意点
・食事に偏りがある(野菜不足・炭水化物やお菓子類が多いなど)
・アルコールやカフェインの過剰摂取…マグネシウムが排泄されやすくなります
・カルシウムを多く含む牛乳ななどの過剰摂取…カルシウムとマグネシウムは拮抗しながら体内でバランスをとっています
◎ある種の薬剤は、尿からマグネシウムなどのミネラルを多量に排出させます。
・汗をよくかく
・薬剤の摂取…利尿剤、抗生物質、ステロイド、インドメタシン、ジギタリス
◎水銀や鉛などの重金属の吸収過剰・解毒不足あれば、体内でのミネラルの輸送障害が起こるため、以下のケースにも注意してください。
・歯科の水銀含有の詰め物(アマルガム)がある~くすんだ黒っぽい銀歯がないかどうか?
・マグロや深海魚を好んで食べる…メチル水銀の含有量が多い
・鉛管の水道管からの飲水…鉛の体内蓄積で体内でトラブルが生じる
・マグネシウムを摂らず、亜鉛や鉄、カルシウムのサプリメントを単独でとっている…他のミネラルの過剰があると、マグネシウムの吸収阻害が起こる
◎マグネシウムは吸収しづらい栄養素です。胃の状態や腸内環境の悪化で吸収障害がおこる。
・膨満感、ガスがたまる、下痢など腸にトラブルのある人
・慢性胃炎や消化不良がある、ピロリ菌感染がある(あった)…胃の機能低下あれば、ミネラルの消化吸収が低下します
当院では、あなたの生活習慣や食事、お体の状態を詳しく伺い、手技療法と合わせて、細胞レベルから回復を早めるための具体的な栄養アドバイスを行っています。