「痛い場所=原因」ではない?慢性痛に潜む「黒幕」の存在
多くの人は「痛いところが悪くなっている」と考え、そこを治そうとします。これは一般的な病院のリハビリ(電気治療など)やマッサージも例外ではなく、痛いところやコリのある場所に直接刺激を与えるのが普通です。
しかし、それでは慢性的な痛みは根本から治りません。なぜなら、急性痛と慢性痛では「痛みのメカニズム」が全く異なるからです。
- 急性痛(怪我・ぎっくり腰・捻挫など): 痛い場所そのものが傷ついており、そこが原因です。

- 慢性痛: そもそも定義が「痛みを感じている場所に、明らかな病理的所見(直接的な傷など)が見当たらない痛み」です。
痛い場所はたしかに負担がかかっていますが、それは勝手に悪くなったのではありません。そこを無理やり働かせ、オーバーワーク(過労働)に追い込んだ「黒幕(真犯人)」が本人の気づかないところで潜んでいるのです。
本当に治すべき場所は「痛まない」
体を痛めつけている黒幕は、往々にして「硬く縮こまって動かなくなっている場所」にあります。本来の可動性を失っていたり、本来の強度が低下していたりするため、その代わりとして別の場所(現在痛んでいる場所)が過剰に働かされ、悲鳴を上げている状態です。
厄介なことに、この本当に治すべき黒幕は、じっと縮こまっているだけなので本人は痛みを感じないものです。
しかも、その犯人は同じ「肩こり」や「腰痛」であっても、過去の怪我の履歴や生活習慣の癖によって、人それぞれ全く違います。痛い場所のすぐ近くだったり、足首や内臓など、全く予想もしない遠い場所だったりするのです。そのため、痛い場所だけにマッサージや電気を当てても一時しのぎにしかならず、原因にアプローチしなければすぐに元に戻ってしまいます。
「じゃあ、五十肩はどうなの?」という疑問
五十肩(正式名称:肩関節周囲炎)は、名前に「炎」とつく通り、関節の中に現在進行形で炎症が起きている状態です。そのため、メカニズムとしては「急性痛」に振り分けると分かりやすくなります。
強い激痛や夜間痛がある間は、急性期がずっと続いている状態であり、その場所に原因(炎症)があります。オーバーワークを通り越して火事が起きている状態なので、痛む場所には強いマッサージなどの刺激を絶対に与えてはいけません。むしろ症状を悪化させる危険があるため、「安静」にするのことも必要となります。もちろん、炎症箇所に刺激を入れずにその他アプローチ可能な場所へ対処するのは、最速で改善するために必要です。
(※痛みが落ち着いて運動制限が残る「慢性期」に入ると、再び体全体の連動性を考慮したアプローチが必要になってきます)
足先から頭のてっぺんまで調べる理由
筋肉の過緊張は、お互いに支え合う他の筋肉(拮抗筋・協力筋)だけでなく、内臓や骨格全体のバランスから大きな影響を受けています。
「肩がこる」「首が凝って頭痛がする」といった症状であっても、その原因を紐解いていくと、以下のような全身の連動性が複雑に絡み合っています。
- 足の形状や、足首の硬さ
- 膝や股関節のねじれ・可動域
- 骨盤や背骨(脊柱)のゆがみ
これらを足先から頭のてっぺんまで徹底的に調べて評価し、個々の体に潜む「犯人」を特定しなければ、本当の意味でその人の痛みと向き合うことにはなりません。
当院が、痛む肩やつらい局所だけを見るのではなく、初回に全身の徹底的な検査とカウンセリングを行うのは、あなたの体に潜む「本当の黒幕」を見つけ出し、根本から解決するためです。