こんにちは。広陵コンディショニング(奈良県広陵町)の栃谷です。
今回は、当院に長く通われているクライアント様の貴重な症例を交えながら、専門医の先生方からいただいたアドバイス、そして「椎間板ヘルニアの真実」や「徒手療法(カイロプラクティック)でできること・できないことの見極め」について、少し専門的なお話をさせていただきます。
【症例紹介】6年の歳月を経て見えた、MRI画像の実際
2017年、50代の女性がお友達のご紹介で来院されました。
当時の主訴は「腰痛があり、足がペタペタと力が入らない状態でしか歩けない」という深刻な状態。病院での腰椎MRI画像(2017年9月)のコピーを拝見すると、そこには2箇所の椎間板ヘルニアがはっきりと写っていました。
この時は、7回ほどの施術でほどなく改善。
翌2018年に坐骨神経領域の強い痛みで再来院された際も、6回ほどの施術で痛みが消失しました。
そして2023年。今度はふくらはぎ外側の痛みと、骨盤の後ろのでっぱり(PSIS)あたりの腰痛で再び来院されました。
症状だけを見れば、典型的には「仙腸関節障害」の痛みです。しかし、数回の施術を行っても思うような改善がみられません。
睡眠時間4時間半、腸内環境の低下、血糖値調節障害といった背景があり、それらの影響も考えられましたが、どうにも腑に落ちない……。そこで念のためにと医療機関で再度、MRIを撮影していただきました。
通常、痛みがなくなればその後にわざわざ画像を撮ることはないため、このような「痛みのない期間」を挟んだビフォーアフターを確認できる例は極めてまれです。
【2017年と2023年のMRI画像比較】
■左:2017年9月
・医療機関から提供いただいた腰椎MRI画像のコピー
・椎間板ヘルニアが2箇所
■右:2023年6月
・医療機関でのMRI画像のパソコン画面写メ
専門医からのアドバイスと「中立な評価」
この2つの画像について、脊椎脊髄外科専門医を指導する立場の先生、そして放射線科専門医からアドバイスをいただきました。
- 一見、形が変わったように見えるが、一方は「正中(真ん中)から少しずれたところ」の画像、もう一方は「正中付近」の画像である。
- そのため、どちらも同じ正中部分で比較すれば、6年前と比べてヘルニア自体に大きな変化(改善)はない。
代替医療の従事者としては、ジグリング(貧乏ゆすり様運動)による変形性股関節症の改善研究などの保存療法の成功例が頭にあると、どうしても「画像も良くなっているのでは」という希望的観測に寄って評価したくなりがちです。しかし、パッと見ての印象ではなく、上記専門医の様に正確に評価する必要があります。
「ヘルニアの大きさと痛みは必ずしも一致しない」という臨床の真実
もちろん、別件の症例では、半年後の経過で飛び出ていたヘルニアがキレイに自然退縮(白血球のマクロファージが飛び出ている所を食べてくれる現象)していたケースもあります。治る条件を整えてあげれば自然退縮する可能性は十分にあります。
しかし、今回のケースのように「画像上のヘルニアは変わっていないのに、痛みは消えていた(長期間問題なく過ごせていた)」という事実もまた、非常に重要な臨床の現実です。専門医の先生も「飛び出した大きさや神経との接触面積は、必ずしも症状と一致しないことはよくある」とおっしゃっています。
つまり、画像上のヘルニアはそのままであっても、患者さんが訴える痛みは、別の部分(椎間関節や仙腸関節など)の機能的な問題を改善してあげることで、きれいに無くなることが本当によくあるのです。
一般の方は、病院で「椎間板ヘルニアですね」と言われると絶望的な気持ちになるかもしれませんが、私たち徒手療法師の側からすると通常は何とかなりそうだと考えます。それほどおそれる必要はありません。
絶対に「おそれないといけない」ケース(見極めの重要性)
ただし、徒手療法で「何とかなるケース」と「絶対に触ってはいけない(医療機関へ直行すべき)ケース」を正確に見極める(レッドフラッグの除外)ことが、私たちには強く求められます。
※なので、手順を踏んで検査もせずにボキボキする背骨矯正は危険なのです。
- 馬尾症候群(手術必須)
下肢の麻痺(足に力が入らない)、尿閉、尿便失禁(排尿・排便障害)が出ている場合です。これは一刻を争うため、施術院レベルでは滅多に見かけませんが、正確に見極めないと大変なことになります。 - 脊柱管狭窄症・すべり症
加齢による変形が大きく、直接原因となって症状が出ている脊柱管狭窄症は普通は手術です(ただし、カイロプラクティックやオステオパシーのテクニックで手術回避できる例もあり)。また、すべり症は術後の経過が良好なため、アスリートなどはむしろ手術のほうが競技復帰のために良いこともあります。
💡 カイロプラクティックが大いにお役に立てる「椎間孔狭窄症」
一般的に脊柱管狭窄症と混同されやすい「椎間孔(ついかんこう)狭窄症」(専門医が出す診断名)において、その原因が骨の増殖ではなく「椎骨の変位(ズレ)」由来である場合、カイロプラクティックは大いにお役に立てます。
椎骨の回旋や側屈変位によって神経の出口(椎間孔)が狭くなっているケースでは、触診でそれを見極め、的確に徒手矯正できるセラピストにかかれば、ビックリするような改善が出ます(上肢の痛み・しびれのメカニズムも同じです)。これはクライアントに最も感謝されるトップ3に入ると個人的に感じています。
これからの医療に求められる「異業種連携」
このように、徒手的なアプローチがとても有効なケースと、やっても全く無理なケースとがあります。だからこそ、医療機関との適切な連携が不可欠です。
当院では、必要に応じて年間数十件、医療機関への検査依頼や治療依頼を行っていますが、最近ではありがたいことに、医療機関の側から当院へご紹介をいただくという「逆のパターン」も増えてきました。
今後、このような異業種連携は増えていくと思われます。それに対応するためにも、私たち代替医療側は常に正確な知識と技術を補強し続けなければならないと考えています。
長引く腰下肢痛、上肢の痛みやしびれでお困りの方は、我慢せず広陵コンディショニングにご相談ください。当院で対応できる状態かどうかも含め、的確に見極め、最善の道をご提案いたします。
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