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【腰痛③】腰や臀部、下肢の痛みの原因を特定する

【なかなか治らない腰痛・下肢痛でお困りの方へ】その痛み、本当に骨の変形だけが原因ですか?

先日、長引く腰痛にお悩みのクライアント(50代男性)が来院されました。病院でレントゲンやMRIなどの画像診断を受けられたところ、医師からこのように説明されたそうです。

「腰椎の隙間が狭くなっている(脊柱管狭窄症)。骨に出っ張り(骨棘)ができているので、それが神経を圧迫しているようだ」

しかし、ご本人の感覚としては「数年前に怪我で膝を痛めたことがあり、それをかばって歩いているうちに腰痛になったのではないか?」ということでした。

病院の保険治療では、筋肉の問題や、その他の細かな原因まで深く掘り下げて調べてくれるケースは多くありません。通常は「撮影した画像に写っている状態」が、そのまま診断名として出されます。

そこで当院のようなカイロプラクティック院では、クライアイントの痛みの発生源を正確に特定するために「鑑別検査」を徹底して行います。画像診断で見つかった脊柱管狭窄症や骨の変形が、本当にいま目の前のクライアント様が訴えている痛みの“真の原因”なのかどうかを確かめるためです。

あなたの痛みはどこから?「狭窄症」と「仙腸関節障害」の鑑別方法

今回のケースでは、まず「狭窄症」と「仙腸関節障害」との鑑別を行いました。実は、痛みの出方や姿勢によって、原因がどこにあるのかを推測することができます。

1. 体を「後ろに反らす」と痛む場合(下部腰椎・椎間孔のトラブル)

  • 主な症状: お尻から太ももの真後ろ、ふくらはぎにかけて、シューティングペイン(線を引くように、糸を引くように走るような痛み)が出る。
  • 痛む姿勢: 痛い側に体を反らすと症状が悪化する。

このような場合は、下部腰椎の「脊柱管狭窄症系」の痛みの可能性が高くなります。専門的に言えば、似た症状を出す「椎間孔狭窄症(ついかんこうきょうさくしょう)」の疑いです。これは専門医でないとなかなか診断名として出されません。

医師は「骨の出っ張り(骨棘)による圧迫」を想定しますが、カイロプラクティックでは「骨の回旋や側屈変位(ねじれや傾き)」によって神経の通り道が狭くなっている病態を扱います。このような狭窄であれば、徒手療法で十分に改善可能です。

※なお、痛みがふくらはぎまでは行かず、お尻と太ももまでで止まる場合は「椎間関節症候群」の可能性が高まりますが、これも今のところ病院ではあまり診断されません。これを改善する技術や評価方法を持つ専門家を探す必要があります。

2. 体を「前に曲げる」「座る」とツラい場合(仙腸関節障害)

  • 主な症状: 腰の後ろにある骨の出っ張り(骨盤の後ろにあるグリグリした部分:PSIS)、お尻、太もも、膝から下に痛みが出る。島状に「こことこことが所々痛い」といった、坐骨神経とも大腿神経とも言い切れない複雑な痛みの表現をされることが多い。
  • 痛む姿勢: 立つ・歩くのはまだマシだが、中腰や座る姿勢がとにかくツラい。

この特徴に当てはまる場合は、骨盤の関節トラブルである「仙腸関節障害(せんちょうかんせつしょうがい)」の可能性が高いです。さらに、お尻の奥にある「小殿筋(しょうでんきん)のトリガーポイント」が併発していることも多く見られます。

※さらに深く掘り下げると、これらの背景には「不適切な食事による小腸の機能低下」と、それに反応した「腸腰筋(お腹の奥の筋肉)の弱化」という、栄養や内臓反射のメカニズムが隠れているのが普通です。

仙腸関節障害は画像に写らない

仙台の整形外科医である村上栄一先生の著書『仙腸関節の痛み』では、仙腸関節障害の病態は子供の肘が抜ける「肘内障(ちゅうないしょう)」に類似していると述べられています。つまり、どちらもレントゲンやMRIなどの画像検査では異常所見が出ないのです。

医学界では「仙腸関節は動くのか、動かないのか」という議論が長年ありますが、同著では画像上で関節の隙間に認められる「vacuum(真空)像」こそが、仙腸関節が日常的に動いている証拠(示唆)であるとされています。

この画像に写らない仙腸関節を適切に評価・治療できる病院(AKA博田法など)は、奈良県内でも1か所ほどしかありません。カイロプラクティックでは当然対応できますが、すべての治療院で高い技術を持っているとは限らないため、しっかりと院を選ぶ必要があります。

ざっくり分かる!腰痛のタイプとアプローチの基本

当院では、これまでの臨床経験と生体力学(バイオメカニクス)に基づき、以下のように見立てをもとに施術を行います。

  • 反らして痛い腰痛: 下部腰椎に問題があることが多く、バイオメカニクス的観点から「胸腰移行部(背中と腰の境目)」へ施術を行うことで劇的に改善することが多くあります。実際にはモーションパルペーション(動的触診)などの検査で、そのような異常を確認してから、修正する施術を行います。
  • 前に曲げて痛い腰痛: 仙腸関節とその周辺をピンポイントで施術することで、速やかに改善するケースが多く見られます。これも各種検査で確定してから、施術を行います。

※ただし、「かかと歩きや、つま先立ちができない」「会陰(えいん)周りの異常感覚がある」「排尿障害がある」といったケースは、巨大な椎間板ヘルニアや黄色靭帯の肥厚による深刻な物理的圧迫(脊柱管狭窄症)の恐れがあるため、病院でのMRI検査が必要です。

「もんで良くなる腰痛」は、実は最も軽症なケース

マッサージなどでもんで良くなる腰痛は、筋肉だけの一時的なオーバーワークが元になっており、最も軽症なケースです。これは安静にしておけば、そのうち治るものです。

当院へ来られる方の多くは、すでに病院、マッサージ店、整骨院、整体院などを何軒も巡り、「どこに行っても良くならない」と最後の手段として頼ってこられます。そのため、単にもみほぐすだけで解決するようなケースはほとんどありません。本当は、まず初めに相談に来ていただきたいのですが・・

今回のクライアント様の施術結果

冒頭でご紹介したクライアント様ですが、初回に上記のような仕組みをしっかりと説明し、仙腸関節とその周辺の施術を行ったところ、痛みのスケールが「8」から一気に「4」へと半減しました。

さらに、数年前の膝の怪我から影響していたと思われる「関節の可動域低下(動きのロック)」を徒手的に解消した結果、痛みは「4」から「0」と痛み消失状態になりました。

ご本人は「あれだけ悩んでいた痛みが、なんでこんなにすぐ消えるの?」と不思議そうな顔をされていました。しかし、仙腸関節という場所には非常に多くのセンサー(受容器)が集まっているため、ほんの少しの機能的異常や歪みが、「強い痛み」として現れるのです。

まとめ:諦める前に、まずは正しく原因を区別しましょう

大切なのは、あなたの痛みがどこから来ているのかを正しく見極めることです。

  • 体を後ろに反らすと、腰やお尻から下へ糸を引くような鋭い痛みが走る(椎間孔などの狭窄症系、あるいは椎間関節症候群の可能性)
  • 座る・前に曲げるとツラい(仙腸関節障害の可能性)

「骨が狭いから仕方がない」「歳のせい」と諦める必要はありません。画像診断の結果だけに囚われず、あなたの体の本当の声に耳を傾けてみませんか?長引く腰痛にお困りの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

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