今回は、施術家(プロ)の先生方に向けた新しい挑戦と、私が日々の臨床で最も大切にしている「身体の見方」についてお話しさせていただきます。
ありがたいことに、周囲の先生方から「施術院や病院を何軒も回ったけれど良くならなかった方に対して、臨床現場で一体どうしているのか?その考え方や技術を教えてほしい」という要請をいただきました。
そこで、2026年6月より、日本カイロプラクティック師協会(JSC)西日本支部主催の「臨床研究会」がスタートすることになりました。私が講師役を務めさせていただき、参加される先生方と一緒にさらなる臨床力アップを目指していきます。

私の考え方や施術におけるバランス感覚については、今後数回に分けてお伝えしていく予定ですが、今回はその核心となる部分を少しご紹介します。
1. 人の不調を「3つの領域」から評価する
どこに行っても良くならなかったクライアントさまの不調を紐解くとき、私は「物理的」「生化学的」「心理的」という3つのストレスから身体を評価します。これにより、その方が抱えている問題の本質が明確に見えてきます。
- 物理的領域: カイロプラクティックやオステオパシーなどの徒手療法から評価
- 生化学的領域: 分子栄養学や生理学の視点から、内側の状態を評価
- 心理的領域: NLP(神経言語プログラミング)などの心理学からアプローチ
手技療法(物理)だけで身体をみても、あるいは栄養(生化学)だけ、心理だけでも、どうしても良くすることができないクライアントさまが一定数出てきます。これはスポーツ選手にとっても同様で、ボディワーク(物理)だけでは、真のパフォーマンス向上には到達できないと考えています。
2. 臨床で求められる「優先順位」の仮定と再考
カウンセリングや各種徒手検査、そして病院での各種データをもとに、上記3つの領域を考慮しながら「第一優先はどこか、第二優先は何か」と不調のメカニズムを探り、アプローチの優先順位を仮定します。
もちろん、一度決めたら終わりではありません。その日のセッションに対するお身体の反応次第で、メカニズムや優先順位はその都度リアルタイムに再考していきます。
3. 部分的な技術論を超えた「真の解決」へ
近年、YouTubeなどのSNSや書籍、技術セミナーなどでは、徒手療法の領域において部分的によい情報がたくさん発信されるようになりました。しかし、「それを実際の臨床のどの場面で、どう考えて使うのか?」という、一歩踏み込んだ実践知までを網羅することは困難です。
臨床でクライアントさまの問題を「真に解決する」には、たとえば腰痛ひとつとっても、整形外科的な領域の知識だけではとても間に合いません。内科的な領域(生化学)、場合によっては心理的な領域まで、私たち施術者が知見を持っておかなければ、十分に対応できないと痛感しています。
臨床研究会へのご案内
どこに行っても改善しなかった方に笑顔になっていただくためには、幅広い視点と、それを現場で組み立てる「臨床思考力」が欠かせません。この研究会を通じて、私が培ってきたバランス感覚を余すことなくお伝えできればと思っています。
ご興味を持っていただいた先生方のご参加を、心よりお待ちしております。共に学び、臨床を極めていきましょう。