先日、私の学生時代の部活でマネージャーをしてくれていた後輩が、実に30年ぶりに大阪から当院を訪ねてきてくれました。
目的は、高校生の息子さんの「治らない腰痛」に関するご相談です。息子さんは60キロ級の現役柔道選手。昨年、練習中に腰を痛めてから、今日までずっと痛みが続いているとのことでした。
1. 初診時の状態と不調のサイン
カウンセリングと検査を進めていくと、柔道選手ならではの激しい負荷の痕跡と、内側(生化学的)な要因を示唆するいくつかのサインが見えてきました。
- 痛みの強さ: 10段階中「8」という強い痛み。座っていてもじんわりと常に痛む。
- 動きの制限: 体を後ろに反らしても、前に曲げても、左右の腰全体が痛む状態。
- 時間帯による変化: 夜よりも「朝の方が痛みが強く感じる」。
- 環境による変化: 「お風呂に入ると少し楽になる」という感覚。
- 生化学的な背景: 食物アレルギーがあり、普段の食事は普通に摂っているつもりだが「パン食(小麦)」が多い傾向。
朝に痛みが強く、お風呂で楽になるという性質や、アレルギー・パン食という背景からは、筋肉や骨格のメカニカルな問題だけでなく、体内環境(炎症のコントロールや内臓体性反射など)による影響も強く疑われました。
2. まず10分ほど施術したところ、痛みが「8から3」へ
今回、お身体のつながりと優先順位を考慮し、以下のような的確な物理的アプローチ(手技)を行いました。
- 上部頚椎と大後頭神経の調整(全体の神経伝達とバランスを整える)
- 胸椎5番の調整
- 四肢(手足)のアプローチ
- 問題を起こしている数箇所の筋肉へのアプローチ
これらの調整を行った最初の10分の施術で、痛みのレベルが「8」から「3」へと改善しました。その後、今後の柔道のパフォーマンスアップを見据えたメンテナンスを兼ねて数十分ほど施術を重ねた結果、最終的に痛みは「2以下」まで減少。
3. 柔道家としての未来を支える栄養アドバイス
手技によって物理的なロックは解除できましたが、慢性的な痛みの背景にある「朝の痛み」や「アレルギー体質」、そして「パン食の多さ」を放置していては、また激しい練習の中で炎症が再燃してしまう可能性があります。
そのため、本日の施術の締めくくりとして、分子栄養学的な観点から「痛みを長引かせないための食事の摂り方」や、腸内環境・炎症を抑えるためのアドバイスをじっくりとお伝えし、初回のセッションを終了しました。
30年ぶりに頼ってきてくれた後輩の期待に応え、未来ある若い柔道選手の力になれたことは良かったです。これからも「骨格(物理)」と「栄養(生化学)」の両輪で、どこに行っても良くならなかった方々の力になれたらと思います。
