私たちが健康を維持し、毎日を元気に過ごすためには、糖質・脂質・タンパク質という「三大栄養素」が不可欠です。しかし、これらをいくら食事から摂取しても、体内でうまく利用されなければ意味がありません。この代謝の仲立ちをし、身体のあらゆる働きが順調に進むように調節している微量な栄養素、それが「ビタミン」です。

ビタミン自体は、身体の血や肉になる直接の材料ではありません。しかし、ビタミンの働きがあってこそ身体の発育が促され、健康が保たれます。もしビタミンが不足すると、体内の化学反応(代謝)がストップし、それに起因した数々の不調や病気(ビタミン欠乏症)が発生してしまいます。AI によって生成された画像

今回は、分子栄養学の視点から、ビタミンの種類とそれが関わる代謝異常のメカニズムについて詳しく解説します。


水溶性と脂溶性:知っておくべき2つの性質

ビタミンは、その性質によって大きく「水溶性」と「脂溶性」の2種類に分類されます。これらは体内での蓄積度合いや、過剰摂取時のリスクが全く異なります。

💧 水溶性ビタミン(ビタミンB群 8種 + ビタミンC)

水に溶けやすい性質を持っています。一度にたくさん摂取しても、必要のない分は尿に溶けて体外へ排泄されるため、基本的に過剰摂取による毒性(過剰症)の心配はありません。その代わり、体内に蓄積しにくいので毎日こまめに摂取する必要があります。

🥑 脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)

油に溶けやすい性質を持っています。過剰に摂取した場合、排泄されずに脂肪や肝臓に溶けて体内に蓄積していくため、不足による「欠乏症」だけでなく、摂りすぎによる「ビタミン過剰症」にも注意が必要です。


水溶性ビタミンが引き起こす代謝異常

エネルギー産生や神経、血管の維持に直結するビタミンB群とCの不足は、すぐに身体のパフォーマンス低下として現れます。

⚡ ビタミンB1:糖質の代謝異常と「脚気(かっけ)」

糖質などを分解してエネルギーに変換する際に不可欠なビタミンです。不足すると酵素の働きが悪くなり、糖質の代謝異常が起こります。
代表的な欠乏症である「脚気」では、神経機能や消化機能が低下し、食欲不振、慢性的な倦怠感、手足のしびれ、アキレス腱や膝蓋(ひざ)の腱反射の消失がみられます。
【豊富な食品】強化米、豚肉、胚芽米、きな粉、落花生、ゴマなど

⚡ ビタミンB2:子供の成長遅延と皮膚・粘膜の炎症

脂質や糖の代謝に深く関わっています。不足すると発育期の子供では成長の遅れや消化不良を招くほか、びまん性角膜炎、口腔の炎症(口内炎)、脂漏性皮膚炎などのトラブルを引き起こします。なお、不足がみられる場合は、食事の摂取不足なのか、それとも「小腸でビタミンB2を吸収して利用する能力」そのものに問題があるのかを見極めることが分子栄養学的に重要です。

⚡ ビタミンB6:神経伝達物質の合成障害と免疫低下

アミノ酸の結合や分解に関わる酵素の働き(補酵素)を助けています。また、副腎髄質ホルモンや神経伝達物質(セロトニンやGABAなど)の合成にも関わるため、不足すると湿疹、脂漏性皮膚炎、口唇炎のほか、貧血や神経炎、免疫力の低下、歯や歯茎の異常へとつながります。

⚡ ビタミンC:抗酸化と血管壁の脆弱化

強力な抗酸化作用を持ち、細胞をサビから守ります。また、毛細血管の機能を正常に保つうえで重要な役割を担っているため、欠乏すると血管壁がもろくなり、皮下出血(青あざ)を起こしやすくなります。


脂溶性ビタミンが引き起こす代謝異常

体内の発育、免疫、そして骨の維持に深く関わる脂溶性ビタミンは、適量を保つコントロールが鍵となります。

👁️ ビタミンA:生殖機能の低下と角質化(過剰症にも注意)

身体の発育、目の暗順応(暗い場所に目を慣らす機能)、感染に対する抵抗力の維持に関わっています。
不足すると、女性では卵巣の成長や卵子の形成障害、男性では精子の形成障害といった生殖作用の維持障害が起こります。また、皮膚の角質化が進んだり、気管支炎や膀胱炎などの感染症にかかりやすくなります。
※過剰症のリスク:摂りすぎると、吐き気、頭痛、意識障害(脳圧亢進症状)、視力障害、手足の麻痺などを引き起こすことがあります。

🦴 ビタミンD:カルシウムの一定化と骨の変形

小腸からカルシウムとリンの吸収を促し、正常な骨の発育や維持に欠かせないビタミンです。骨から血液中へのカルシウムの移動を円滑に行い、血中カルシウム濃度を常に一定に保つホメオスタシスを支えています。さらに、大腸がんなどのリスクを抑える作用や、骨粗鬆症を予防する効果も注目されています。
不足すると、歯や骨の発育不良、骨の変形を招き、子供では「くる病」、大人では「骨軟化症」を引き起こします。こちらも過剰症のリスクがあるため、適切なバランスが求められます。


「構造」を動かすために、正しい「栄養(代謝)」の潤滑油を

「毎日しっかり食べているのに、なぜか手足がしびれる、疲れが取れない」
「肌荒れやこわばりが慢性化している」

こうしたお悩みの背景には、骨格のゆがみ(構造の問題)だけでなく、今回解説したようなビタミンの不足による「体内の代謝異常(化学反応のストップ)」が隠れていることが多々あります。いくら身体を車に例えてアライメント(骨格)を整えても、ガソリンをエネルギーに変えるための潤滑油(ビタミン)が切れていては、車はスムーズに走りません。

広陵コンディショニングでは、カイロプラクティックによる丁寧な骨格調整で神経伝達や筋肉の働きを高めつつ、分子栄養学に基づいた食事・代謝のアドバイスを行うことで、身体の内外からホメオスタシスを正常化させる総合的なアプローチを行っています。

「自分の不調にどの栄養や代謝が関わっているのか知りたい」「内側から本当に健康な身体を取り戻したい」という方は、ぜひお気軽に公式LINEやお電話からご相談ください!